大山の紹介

大山と名和川流域

大山(だいせん)- 霊峰

大山(1729m)は、西日本の中国山地最大の山です。733年に書かれた「出雲国風土記」などの古文書に大山は登場しています。その中では、大山は日本の中心であり、神そのものであるとも書かれています。大山という名前を直訳すると「偉大な山」であり、以前は「大神山」と呼ばれていたのを短くしたものです。

大山は神聖な山として、江戸時代末期まで上方の大部分は一般人の立ち入りが禁止されていました。そのため、山頂付近のブナ林は、日本全国で起こった森林伐採の影響をほとんど受けずに済みました。このブナの森は現在も残っており、その根は斜面や農地に水を供給する重要なフィルターとして機能しています。その結果、山周辺はミネラルが豊富で肥沃な環境となり、人間活動や野生動物にとって重要な役割を果たしています。

名和川流域 - 非常に特殊な場所にあるオオサンショウウオの生息地 

大山の北斜面に位置し、大山町で日本海に流れる名和川流域。この流域は名和川、大谷川、東谷川の3つの支流からなります。各河川は短く急で、山からの冷水を絶え間なく供給しています。本流の名和川は、源流から海までの全長がわずか4.1kmしかありません。

大山町の年間平均降水量は1948mmです。ちなみに、イギリスのロンドンの年間降水量は583.6mmです。ブナ林や岩山の斜面を流れる水の多くは雪解け水です。これはオオサンショウウオにとって重要なことで、山の川は海のすぐ近くまで冷たく保たれています。冷たい水は、暖かい水よりも酸素が豊富です。皮膚から酸素を吸収するオオサンショウウオが元気に生きていくためには、流れが速く酸素の豊富な水が必要なのです。そのため、名和川流域では、標高が低くてもオオサンショウウオが比較的多く生息しているのです。

しかし残念ながら、地元の自然保護団体や個人の努力にもかかわらず、大山の美しい自然資源や野生生物の多くは放置され、誤った管理がなされ、破壊されているのが現状です。このような一連の環境破壊を覆さない限り、オオサンショウウオはもはや名和川流域に生息することはできないでしょう。

寄付

皆さんの寄付によって、オオサンショウウオの保護・保全活動を行うことができます。詳細については、「オオサンショウウオを救おうキャンペーン」ページをご覧ください。