オオサンショウウオの保護に関する最新情報

大切なお知らせがあります。オオサンショウウオを取り巻く状況が、正式に悪化しました。国際自然保護連合(IUCN)(詳細は下記参照)により、オオサンショウウオの保全状況が「準絶滅危惧」から「絶滅危惧」に変更されたことが正式に発表されたのです。これは、オオサンショウウオが野生で絶滅する可能性が高いと科学界が認識したことを意味します。このことは、これまで国が行ってきたオオサンショウウオの保護・保全が極めて不十分であったことを明確に示しています。むしろ、今回の再調査で明らかになったように、状況は悪化しています。

大山のオオサンショウウオを助け、共に生きる環境を良くするためにこの旅を始めたとき、私は、大山の実態を多くの人に知ってもらえば、きっと改善されるに違いないと確信していました。オオサンショウウオは、本当に特別な生き物なのです。そして美しい、神聖な大山。知っている人なら、きっと全力で守ってくれるはずだと。

しかし、地域社会はもとより、日本全国で、実際に何か行動を起こそうという気にさせるのは難しいことです。そこで私は、多くの人に知ってもらうことだけが、やるべきことではないと考えました。この問題に取り組むもう一つの方法は、世界、特に日本国外の主要な研究者や両生類の専門家、保護団体に接触することに時間を割くことでした。私は世界のさまざまな場所で、非常に興味深く素晴らしい考えを持った人たちとつながりを持ちました。私はロンドンに行き、慈善団体と会ったり、動物学会の代表者と話をしたりしました。 アメリカ、中国、オーストラリアの専門家たちとは、ズームミーティングを行いました。そして何百時間もパソコンに向かい、何千通ものメールを送った末に、まさに私がつながるべき相手を見つけました。IUCN SSC 両生類専門家グループです。

IUCN SSC 両生類専門家グループ(ASG)は国際自然保護連合(IUCN)の世界的なボランティアネットワークで あり、専門家が自らの時間と専門知識を提供して、科学の確固たる基礎に基づく両生類の保全が実際に進められるコミュニティを形成するものです。このネットワークは現在40以上の地域・国の300以上のメンバーで構成され、ASG は世界的な規模で活動することが可能です。

もっと簡単に言うと、IUCNは研究対象の動物の保護に取り組む一流の研究者の集まりです。残念ながら、多くの研究者がオオサンショウウオを研究しているにもかかわらず、その種の保護にはあまり焦点が当てられていないのが現状です。日本のように「多数派が常に正しい」とされる国では、積極的に行動する団体が積極的に排除され、妨害されることもあり、これは本当に問題です。

ロンドン動物園のオオサンショウウオ研究の第一人者から、IUCN SSC ASGの事務局に連絡を取るよう勧められました。私が最初にメッセージを送って以来、グループの議長(アリアドネ・アングロ博士)と副議長(アマエル・ボルツェ博士)のサポートは素晴らしいの一言に尽きます。私たちは数週間前から白書(政府政策提言)の作成に取り組んでおり、新年には審査に提出する予定です。

数週間前、ボルゼー博士が中国の南京の大学から駆けつけて、この地のオオサンショウウオの生息地を自ら調査し、支援を申し出てくれました。この地域のこと、そしてもちろんオオサンショウウオのことを紹介できて、本当に光栄でした。彼は本流の生息地の状況を目の当たりにして悲嘆に暮れていましたが、特に私たちのサンクチュアリとその周辺での今後の様々な調査や活動の展望に心を躍らせていました。彼は、定期的にこの地を訪れ、私たちの有機農業プロジェクトがどのようにこの地域のすべての種の状態を改善するかなど、さまざまなプロジェクトや調査を自ら指揮・助言することを提案しています。その他、両生類、鳥類、爬虫類の第一人者である世界中の専門家が、すでに協力の意思を示しています。

ようやく、私たちのプロジェクトが世界的な舞台で、ふさわしい人たちとつながったということなのでしょう。

*また、1月には『ガーディアン』や『ジャパンタイムズ』に、私たちのプロジェクトが紹介される予定です。

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Sustainable Daisen featured in The Guardian